稼げない!
委託ドライバーの仕事が「稼げない!」と噂されることがあるのをご存じでしょうか?通販需要などで運ぶモノは増えているうえ、歩合制のため「頑張った分だけ稼げるのが」委託ドライバー。一見すると稼げる仕事に思えますが、ネガティブな見方もあるようです。
そこで、このページでは委託ドライバーが「稼げない」と噂される理由や書き込み、また稼げないドライバーの特徴や稼ぐためのポイントを紹介します。
委託ドライバーが稼げないと言われる原因
「歩合」というイメージ
委託ドライバーは歩合制です。「頑張った分稼げる」は、裏を返せば「頑張らなければ稼げない」となってしまいます。捉え方によっては「どうせ自分なんて働いても稼げないのではないか」というイメージを持ってしまうかもしれません。「歩合」「出来高」という言葉は、ポジティブに捉えることもできれば、ネガティブに捉えてしまうこともできる言葉です。
結果、ネガティブなイメージを信じてしまった人たちが「どうせ稼げない」と吹聴し、「委託ドライバーは稼げない」イメージに寄与してしまっている部分もあるでしょう。
運によって左右される部分があるから
委託ドライバーは運によって左右される部分もあるので、「頑張っても稼げない」と思ってしまう人もいるようです。委託ドライバーは移動距離ではなく、あくまでも運んだ荷物の個数によって収入が決まります。担当エリアにマンションが林立しているようなエリアであれば、効率よく多くの荷物を運ぶことができるでしょう。結果として「稼げる」のですが、逆に郊外でかつ一軒家ばかりのエリアに配属された場合、一件荷物を運ぶ度に長距離移動しなければならないケースもあります。
また、そこで届け先が不在の場合、荷物は「届けられていない」ことになるので収入にはなりません。これも「委託ドライバーは稼げない」と思われている一因でしょう。
人手不足が顕著となっている
委託ドライバーに限らず、軽貨物運送業界や運送業界全体は人手不足が顕著です。日本そのものが少子高齢化による労働者人口の減少が続いているため、どの業界においても「人が余っている」ではなく「人手不足」な状況となっているでしょう。特に運送業は、「きつい」といったイメージがついて回ってしまっています。実情をよく理解していないもののイメージから敬遠してしまう求職者も珍しくありません。
実際、2017年12月に日本銀行が発表した企業の観測調査では、人手不足が全業界でワースト2という結果が出ています(ワースト1は宿泊および飲食業)。トラック運転手の高齢化が進んでいることもあり、今後の人手不足はより深刻になる可能性も否定できません。
「楽に稼げる仕事」だと勘違いしている
委託ドライバーが稼げない仕事だといわれてしまう原因のひとつとして、「楽に稼げる仕事だと思っていた」というものがあります。よく求人情報などで「誰でも高収入を目指せる!」などの謳い文句を目にしませんか?もちろん、委託ドライバーは普通運転免許さえあれば始められる仕事ですし、歩合制のため高収入を手にすることも可能です。
ですがそれは、どんな人でも努力をせずに高報酬を得られるという意味ではありません。高収入を得るためにはそれなりの工夫が必要です。
委託ドライバーの仕事を「稼げない!」という人の中には、「自分のペースでゆったり配送していればたくさんの収入を得られる」と勘違いしている方がいるのかもしれません。
悪徳な企業と契約してしまう
委託ドライバーの仕事では、一生懸命配達しているのになかなか満足な収入を得られないケースがあります。運送企業は多く存在しており、その報酬体系や契約内容はさまざま。なかには「悪徳企業」と呼ぶにふさわしいピンハネを行っている企業もあり、契約しているドライバーはいくら運んでもなかなか収入がアップしません。
悪徳企業では配送単価を相場よりかなり低くしていたり、手数料や保険料など差し引く費用を高額に設定したりしていることがあります。そのためドライバーの手元にはわずかな収入しか得られず、「委託ドライバーの仕事は頑張っても稼げない仕事」と認識されてしまうのです。
経費や税金について
委託ドライバーは、「個人事業主」として働きます。企業に雇われている会社員であれば、税金を差し引いた額が給与として支払われるでしょう。しかし、個人事業主である委託ドライバーは国民年金や健康保険料、住民税などを自分で支払う必要があるほか、年度末には確定申告を自分で行います。
また、車両メンテナンスや備品などにかかる経費は自分で支払うため、手にした報酬から捻出しなければなりません。安易に「配送単価×個数×稼働日」で収入を想定してしまうと、手数料や税金、経費などを引いた額にガッカリしてしまうでしょう。そのため、差し引かれる額を考慮したうえでの手取り収入をイメージしておくことが大切です。
そのほかにもこんな例も
委託ドライバーが稼げないと評される理由として、「地方での求人を探している」ということも挙げられます。委託ドライバーの仕事は「いかに多くの荷物を配達したか」で報酬が決まります。移動距離は関係ないため、都市部のマンションなど配達先が密集している地域では多くの荷物を捌くことが可能です。
しかし、地方では配達先が散在しているため、1日に配達できる量はあまり多くはありません。そのため思うように稼げないと感じることもあるでしょう。
一方で仕事は増えている
人手不足で悩む運送業者は珍しくありませんが、その理由は少子高齢化だけではありません。特に軽貨物運送業界は、仕事が増加傾向にあります。ネット通販の発達により、パソコンやスマートフォンから気軽に買い物ができる時代になった現代。商品の購入そのものが気軽でも、購入した商品がデータではない限り商品を届けなければいけません。つまり、ドライバーが必要になります。
ネット通販事業はまだまだ成長傾向なので、今以上にドライバーの仕事が増えることも懸念されている点の1つです。
無人化が難しいジャンル
近年、AIに代表されるように、IT技術の進化によって様々な面が簡素化されています。それまで買い物はレジの係員の担当でしたが無人で、かつ勝手に商品を認識して…というサービスまで登場しました。
ITの力を頼ることで、人がいなくても可能な仕事は増えています。ただ、宅配業務に関してはどうしても「人間の力」が必要と言われています。無人運転が登場したとしても、荷物の識別や玄関までの移送や受け取りの確認をするのはまだまだ難しいでしょう。今後も様々な産業が成長したとしても、「ドライバー」という形態はある程度必要とされています。
稼げない人の特徴
効率が悪い
稼げない委託ドライバーは、効率化という点を疎かにしているケースが多いです。委託ドライバーは基本的に「荷物をお客に渡す」ことで歩合となります。相手が不在であればお金にならないのはもちろん、移動そのものだけでも同じくお金になりません。しかし、移動しなければ荷物を届けることはできないのが特徴です。
委託ドライバーは如何に移動距離を短くするかがポイントとなります。実際に道を覚える、先輩社員に教えてもらうなどで近道を覚えるのも移動時間短縮として有効です。しかし、何も考えず同じ道を行ったり来たりしている状態では、残念ながらなかなか思うようには稼げないでしょう。稼いでいる委託ドライバーは、その日に配送する荷物の届け先を見て「どうすれば移動距離を少なくできるのか」を考えてルートを設定しています。
「仕事」という意識の欠如
委託ドライバーは基本的に自由ではありますが、あくまでもお客の元に荷物を届ける仕事です。一人での移動、さらにはマイペースに取り組める点などから、仕事という意識が欠落してしまっているケースも多々見られます。勤務態度がいい加減では、稼ぎにくくなるでしょう。
配送先のお客相手に高圧的・威圧的な態度を取れば、デリケートな現代社会では「あのドライバー変えてくれ」とクレームが寄せられることも珍しくありません。問題とみなされる行動が続けば「配送先」が減少してしまい、稼げなくなります。
態度だけでなく、身だしなみも重要なポイントです。身だしなみに気を使わなかったり、あるいは乱暴な運転を繰り返したりしていれば、クレームが寄せられて仕事が減少していくでしょう。
稼げるようにするためのポイント
効率化の徹底
荷物を運ぶだけではあるものの、効率化を意識することも大切です。委託ドライバーは自分の配送するエリアを決められることが多いかと思いますが、その都度最短距離をイメージできるよう、最低限の道筋は覚えておきましょう。
極論ですが、委託ドライバーは車に乗っている時間・運転する時間が短ければ短いほど稼げます。荷物だけを見てあっちに行ったりこっちに行ったりではなく、一筆書きに近いルートを選定するのがポイントです。効率よく荷物を運ぶことで運転の時間を短縮でき、結果的に稼ぎやすくなります。もちろん不在である可能性もあるので、臨機応変さが求められる部分も出てくるでしょう。
地図を見ておく、担当ルートを運転した経験のあるドライバーに聞いてみるなど、工夫次第で運べる数も変わるはずです。
自分のスタイルを確立する
自分自身のスタイルを確立することもまた、委託ドライバーとして稼げるようになるためのポイントです。人それぞれで得手不得手はあります。短時間が向いているのか、長時間コツコツが向いているのかによって、働き方も変えた方が良いでしょう。長時間同じ作業を続けることに慣れているのであれば、長時間での運送も問題ないでしょう。
長時間集中することが苦手であれば、まずは短時間で取り組むのが良いかもしれません。委託ドライバーは自分のペースで取り組めるとはいえ「仕事」です。自分自身が責任感を維持できるスタイルを模索することも、委託ドライバーとして稼ぐために必要となるでしょう。
意識を改革!個人事業主であることを自覚する
「稼げない!」と不満に感じているとき、自分自身の意識改革が有効なこともあります。委託ドライバーは運送会社に雇われるのではなく、個人事業主として契約することがほとんどです。
一定の会社から仕事をもらい続けて報酬を得ることで、あたかも会社員であるような錯覚に陥ることもあるでしょう。ですが、ただ与えられた仕事をこなす受け身の姿勢では、個人事業主として成功することはできません。
稼げるよう自分自身で行動することが大切
「この運送会社はあまり仕事をくれない」「この運送会社は配送単価が低いから稼がせてもらえない」などと不満を感じたら、意識改革を試みましょう。個人事業主のメリットは、働き方や収入などを自分でコントロールできる自由さにあります。
どうしたら仕事量を増やせるのか、どんな工夫をすれば快適に仕事ができるのか、目標の収入を達成するためにはどんな行動が必要なのか?経験者に聞いたり調べるなどの行動を起こし、能動的に仕事をするよう心がけましょう。
税金や経費を減らせるよう対策する
個人事業主である委託ドライバーが気を付けたいのが税金です。個人事業主は自分で税金を支払う必要がありますが、節税にも意識を向けなければいけません。
委託ドライバーの経費ではガソリン代や車検費用、自動車税や事務用品費などさまざまなものがあります。税金は売上から経費を引いた利益の部分にかかってきますので、経費に計上すべきものはきちんと計上しましょう。賢く節税できれば、その分手元に多く金額が残るため、稼ぎを増やすことにもつながります。
委託ドライバー、稼げないというウワサはどうなのか?
こちらでは、委託ドライバーに関してウワサに挙げられがちな、稼げないという点について、その真偽を検証していきたいと思います。
委託ドライバーを含めた運送業界というのは、介護や警備などの仕事と並び、大変なのにお金が稼げないという槍玉に挙げられがちです。5chにも、以下のような書き込みがされています。
2ch、5chでの書き込み
1:国道774号線
一日中走り回って疲れ果てて 日給7000円だからマジつらいな
2:国道774号線
元佐川急便って人の動画観たけど一個100円!!ってこんなに安いの? 例えば1件に10個ってのが10件やれば100個って コースならいいけど 一個100円でやってるドライバーもいるんだね 宅配は夏は車から離れてる時間が多くて 涼む時間もなくて汗だくで大変ですね
3:名無しさん@引く手あまた
給料欲しさに何でも仕事を受けたら14時間束縛になってリタイヤした 通勤の30分が勿体無くて会社の駐車場で寝てたくらい
4:名無しさん
郵便局も含めて大手は必要以上に管理が厳しい。委託でもサラリーマンと似たようなもん。 稼げりゃいいけど、そうじゃないなら意味ないよ。社員になったほうがいい。
以下参照元: ログ速/【軽トラ・バン】軽貨物業者スレ(https://www.logsoku.com/r/2ch.sc/traf/1557484531/) ログ速/配送・ドライバー職への転職を考えている人のスレ(https://www.logsoku.com/r/2ch.sc/job/1555808548/)
まとめ
確かに、これらの書き込みの内容“だけ”を見ると、委託ドライバーはやってられないと思えてしまうかも知れません。ただし、実際には上記のような例は一部の悪徳業者あるいはそれに近い輩ぼ場合といった極端な例です。
200円程度の配送単価があり、1日100個以上の配送を行える環境さえ整っていれば、あとは本人の頑張り次第で、月に40万円程度は稼げるはずです。逆に言えば、委託ドライバーで稼げないというのは、そうした条件や環境が整っていない運送会社を契約先に選んでしまうから、ということに他ならないのです。
個人事業主として委託契約を交わす際には、こうした条件などをしっかりと検討することが重要。まっとうな運送会社をキチンと選べば、委託ドライバーはれっきとした、稼げる仕事です。
想定月収は、配送単価をもとに、1日100個の荷物を運んだとして、20営業日働いた場合で試算しています。金額表記の税込・税別については、各社にお問合せください。